河崎玲 作
「だぁ~かぁ~らぁ!ちょっと待ってって言ってるじゃない!」
「余裕があればそうしてる…」
さっきからそう言った言い合いを繰り返しているのは、飛鳥と茜。
茜は飛鳥からベッドに押し倒されている状態だ。
茜は上にのっている飛鳥を退かそうと必死に肩を押しやっているのだが、飛鳥は男で茜は女…
例え茜であっても飛鳥の鍛えられた男の力にかなうはずがなく、だんだんとベッドに沈み込んでゆく。
「悪ぃ…これ以上保たない…」
耳元に吐息でで囁かれた言葉に茜は真っ赤になる。
一瞬の気の緩みが命取りだった。
飛鳥の手がするりと胸元の服の間から中へと入ってきたのだ。
「えっ?ちょっま!」
飛鳥に唇を塞がれて、茜には待ってと言う事は出来なかった。
飛鳥は茜の胸を少し乱暴に揉みしだく。
「っ…ん…」
茜は痛がるようにわずかに顔を歪ませると、飛鳥は片手で茜の両手を押さえながら、反対の手で茜の服を器用に脱がしにかかる。
「~~!!」
茜は何か言おうとしているようだが、飛鳥が舌を絡ませてきて声を出すのを阻まれる。
その間にも茜は上の服を脱がされ、飛鳥に胸を曝け出した状態になっていた。
飛鳥は茜の唇を塞ぐのをやめると幾度も首筋にキスを落とした。
飛鳥の唇が触れるたびに茜はぴくんと体をはずませる。
「あっ…ゃっ!」
くすぐったいような気持ちいいような…そんな感覚に少しずつ茜の口から吐息に交じった声が出てくる。
飛鳥はぺろっと鎖骨を舐める。
「やぁっ!!」
茜の背中を電気のようなものが走り茜は身をよじる。
「茜…ここ、硬くなってる」
飛鳥は茜の胸の突起を軽く摘む。
「っあ!」
ぴくんと茜の体が跳ねた。
「気持ちいいか?」
飛鳥は茜の手を押さえるのをやめて両手で胸をまさぐりだす。
片方の胸の突起を口に含み舌先ではじくたびに茜は口を押さえて声を我慢する。
「っ…ふっ…はぁ……」
茜は押し寄せてくる快楽から逃れようと身をよじり飛鳥の手から逃れようとするが、飛鳥はそれを許すはずもなく、声を出させるかのように執拗に舐め回す。
「…んで声我慢してんだ?」
ふと顔をあげて飛鳥は聞く。
「恥ずかしいからに決まってるじゃない!馬鹿!!」
真っ赤になりながらそう言うと手元にあった枕を飛鳥めがけて投げる。
「でっ」
見事に顔面に的中。
飛鳥はさほど痛くはないはずだが顔を片手で隠して痛そうに見せる。
「声位で恥ずかしがんなよな…」
指の間から不敵な顔で茜を見上げる。
「はっ?」
いきなり何を言いだすんだと言わんばかりの返事を返すと、飛鳥の手がスカートの中に入り込んできた。
「えっ?手?」
びくっとした茜は手が飛鳥の顔にある事に安心していたらしいが、生憎飛鳥の手は二本ある。
飛鳥は下着の上から茜の下腹部をなぞる。
「ここ…すっげ濡れてるけど」
飛鳥は身を乗り出して茜の耳元に近付き低い声で囁く。
「っ…!」
茜は顔を真っ赤に染めた。
飛鳥は茜の下着に手を掛けるとするりと脱がせる。
「!!ちょっと!」
何してんのよと言わんばかりに茜は飛鳥を見やる。
「脱がさねぇと入れれねぇだろ?」
言葉の意味を理解した茜はうっと言葉につまる。
何も言えないでいると、飛鳥の指が茜の濡れた部分に触れてきた。
「あっ…!」
ゆっくりと指を入れて、ほぐすように動かしだした。
「やっ…はぁっ…っ」
湿った音をたてながら飛鳥の指は茜の中をかき回す。飛鳥の与える刺激でか、茜のそこは愛液が溢れだし、茜の耳に届くような大きな音をたて始める。
「ちょっ!音やだっ!」
茜は真っ赤になりながら飛鳥に言った。
普段の彼女からは想像出来ないような艶っぽい声…
「やだっつっても今更だろ?」
飛鳥はするりと指を引き抜いた。
「ひゃん!」
茜の体がびくっと跳ねる。飛鳥はすでに硬くなった自身を取り出すと、さっきまで指を入れていた所にあてる。
「いれるぞ?」
「まっつあ!!」
待ってと言う暇もなく茜のなかに飛鳥が入ってくる。
茜は思わず硬く目をつぶる。
「っんぅ…」
指だけでも違和感のあった場所に指より太いものが入ってくるのは、茜に相当な異物感を感じさせた。
異物感とともにかなりの熱さも加わって茜は段々と訳のわからなさが募っていく。
「すっげ…あちぃ…」
声の近さに驚いて目を開くと、すぐ側には飛鳥の顔。
目が合って一瞬ドキリとする。
飛鳥はふっと息で笑う。
「好きだぜ?茜」
「ばかっ」
飛鳥は茜の腰を片手で支え、反対の手で自分の体を支えながらゆっくりと腰を動かしだす。
「あっ…つい」
自分の中を擦りながら動く飛鳥の男根は徐々に熱を持ち、太くなっていく。
茜は突き上げられる度に背中を駆け上がっていく快楽に溺れ、わけがわからなくなってきていた。
「っ…ふぅ…あす、かぁ…」
茜は自分を突き上げてくる人物の名前を呼び、必死でしがみ付く。
茜は何かに耐え切れず、気付かないうちに飛鳥の背中に爪をたてていた。
「茜…」
彼は背中の痛みに片目を細めながらも、茜を抱き締め彼女の耳元で名前を呼ぶ。
囁くような擦れた声。
「っはぁ…んぅ!」
名前を呼ばれて、飛鳥をくわえ込んだそこが一瞬きゅっと締まる。
飛鳥は突き上げる速度を上げた。
「やぁっ!…も、駄目ぇ!」
茜の絶頂が近くなる。
飛鳥をくわえこんだそこが、今まで以上に締まりる。
「ーっ!!」
「あぁっ!!」
飛鳥は茜の中に自分の欲望を吐き出した。
茜も飛鳥と同時に絶頂を迎えて体を仰け反らせる。
「はぁっ…はぁっ…」
二人の呼吸が重なる。
「…ちょっと待ってって…言ったわよね…」
茜は飛鳥の腕の中でぼそりと言った。
飛鳥はやばいと思い身を退くと同時に、茜の中に入ったままだった男根が抜ける。
「ん…」
それと同時にとろりと何かが滴れる感触に茜はぎくっとした。
「わ…わりぃ…」
飛鳥は茜と向かい合う形になるようにベッドの横に座る。
「………」
茜は横になったまま飛鳥を一瞥する。
「そのな…抜く余裕がなくてな…」
飛鳥はしどろもどろに言葉を綴る。
「はぁぁっ…」
茜は額を片手で押さえながらため息をつくと、飛鳥に視線をやり言った。
「今日だけよ」
飛鳥はほっとしたように息を吐く。
「飛鳥…それより寒い」
茜は横に座る飛鳥の後頭部に手をやると、彼を引き寄せて布団をかぶせる。
飛鳥は茜の横に寝ると茜を抱き寄せた。
背中に腕を回して抱き締める。
「茜…愛してる」
吐息に乗せて呟いた。
茜はクスリと笑うと飛鳥を見上げた。
「あたしもよ」
二人は軽く口付けを交わした。
2005/02/11 公開
後書きと言う反省
うわぁ~初裏がこの二人ですか(汗)
私的に飛鳥は余裕をなくそうとしたいのに…
飛鳥め…勝手に動きやがって…
茜は茜で大胆すぎます。(最後の方)
それに、誕生日の夜って設定はどこへやら(汗)
まっ、まぁ…出来上がったのでよしと言うことで(汗)
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
なんか…こんな駄文を読んで楽しんで(?)頂けたのならば幸いなのですが(汗)
2005.01.31.
はらはらと白い妖精が舞踊るよるに…
河崎 玲